【感想】空宙空地「その鱗 夜にこぼれて」(七ツ寺共同スタジオ)の観劇レポート
空宙空地 第7回本公演「その鱗 夜にこぼれて」を観劇してきたので紹介します。
とにかく登場人物が多くて、役者さんは大変だったろうなと思える作品でしたが、観ているこちらは、非常に面白かったです。
ある男とある女の人生と、それを取り巻く人間関係。
ところどころ笑いを挟みながらも、辛い過去の記憶や今を必死に生きる姿に胸が打たれました。
では、もっと詳しく空宙空地「その鱗 夜にこぼれて」についてお伝えしますね。
「その鱗 夜にこぼれて」by空宙空地 概要
ビラ・チラシ
あらすじ
ある男は、今日もまたこの店で安いカップ麺を手にした。
ある女は、今日もまた一日の予定を正確にこなしていた。
別の女は、いつもと少し違うものを見た。
目の前の自分が二つに割れた夜。誰も、彼らの「本当」を知らずにいた。無数の窓灯りがまたたいている。舞う雪が街灯に煌めいている。
パチパチと音を立てる炎から昇る火の粉は、束の間の輝きを放つ。
この街で日々を懸命に生きる人々が、もがいて傷つき、
それでも生きていくために身をよじり剥がれていく片鱗が、
生活の灯りにキラキラと光る。
まるで川を遡って故郷を目指す、魚たちの鱗のように。
作・演出・出演者
▼作・演出
- 関戸哲也
▼出演者
- おぐりまさこ(空宙空地)
- 八代将弥(room16)
- 野田雄大(TYK Promotion/演劇組織KIMYO)
- 斉藤やよい
- 棚瀬みつぐ
- 暁月セリナ(オレンヂスタ)
- ★川上珠来
- ☆佐藤ゆり香(南山大学演劇部「HI-SECO」企画)
公演スケジュール
- 10/31(木) 19:30~☆
- 11/1(金) 19:30~★
- 11/2(土) 14:00~☆/18:00~★
- 11/3(日) 11:00~★/15:00~☆
- 11/4(月祝) 13:00~☆
劇場:七ツ寺共同スタジオ
観劇レポート
登場人物が多くて、キレッキレの85分の舞台
公演前の注意事項を、おぐりまさこさんが説明している時、なぜかロールケーキを持っていたのです。
このロールケーキを持ったおぐりさんが、舞台の中央に立ったら、演劇スタートとのこと。
もちろんロールケーキは、ストーリーの中で、非常に大きな役割を果たすのですが、当初は全く想像もできませんでした。
万引き、娘との食卓、母との思い出など、キーとなるシーンで重要な役目を果たしました。
ロールケーキという名前だけど、ケーキではないロールケーキの使い方が、すごく面白かったです。
また、本作品の見どころは、登場人物の多さも一つです。
一人5役の役者さんもいて、7人の出演者なのに全部で20人くらいの登場人物がいました。
複数の役の切り替えに、終始感服です。
加えて、それぞれの登場人物に、ストーリーの鍵を握る伏線があったので、それを考えながら観劇しているのが面白かったです。
正直、一度観劇しただけでは頭が追いつけないほど盛りだくさんの内容だったので、観劇後には、「もう一度、観劇したい」という気持ちがフツフツと湧いてきました。
ダブルキャストということもあったので、2回目を観ると、また違った気付きを得られそうでした。
ただ、それにしても、あっという間と感じる85分間でした。
もっと「その鱗 夜にこぼれて」に浸って居たかったです。