【感想】特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ(名古屋市博物館)の鑑賞レポート
名古屋市博物館にて「特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ」を鑑賞したので紹介します。
僕は、浮世絵には、関心を持ったことはありませんでした。ただ、なぜか本展示会は、興味が湧いたのです。名古屋市内で電車に乗るたびに見かけるポスターが、どうにも印象に残って仕方なかったのです。
遊び心が溢れる妖怪の姿に惹かれたのか、迫力のある戦に惹かれたのか、残虐な描写に惹かれたのか。どれに惹かれたのか分かりませんが、鑑賞し終えた今は、非常に満足度が高いです。江戸時代の作品とは思えないほどに、精巧で面白味が多い作品展だったと感じています。
ではもっと詳しく、「特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ」についてお伝えしますね。
「特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ」概要
展示会紹介
怪奇、快感。
旺盛な好奇心と柔軟な発想、豊かな表現力を武器として浮世絵のさらなる活性化につなげた歌川国芳(1797年から1861年)。本展では国芳の武者絵を中心としながら、月岡芳年(1839年から92年)ら弟子たちの作品にもスポットを当てます。そして幕末から明治にかけ、国芳の個性がどのように継承、変化していったのかを、尾崎久弥(1890年から1972年)、高木繁(1881年から1946年)のコレクションなど当館が所蔵する浮世絵によってたどります。人々の嗜好に合わせ最後まで新しい画題と表現に挑み続けた、国芳を領袖とする「芳ファミリー」の活躍をご覧ください。なお展示作品には残虐な描写のものが含まれます。ご用心!!
スケジュール
会期:2019年2月23日(土)~4月7日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入場は閉館30分前まで)
休館日:2月25日(月)、26日(火)、3月4日(月)、11日(月)、18日(月)、25日(月)、26日(火)、4月1日(月)
会場:名古屋市博物館
住所:名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
アクセス:地下鉄桜通線「桜山駅」下車、4番出口から徒歩5分、名古屋駅から地下鉄桜通線で直通17分
鑑賞レポート
すべて「よし!」面白さを出すための工夫が目白押しな作品たち
本展示会の主役は、歌川国芳とその弟子たち。音声ガイドを聞きながら鑑賞すると、描き方の特徴や、絵に対する想いを知ることができて、すっごく面白いですよ。
歌川国芳と言えば、武者絵で有名です。会場へ入ってすぐ、迫力ある戦いが描かれいて、勢いに圧倒されます。
こちらの作品は、6枚の紙を組み合わせたもの。当時は、4枚以上を使うことはもったいないとされ、禁止されていた模様。なので、本作品は、3枚ずつでも作品として成り立つように描かれているとのこと。
人物の髪の色や雰囲気から、ヨーロッパの雰囲気を感じられる作品。歌川国芳は、勉強のために、海外の画家たちの作品を収集していたとの解説がありました。
歌川国芳と言えば、こちらの作品です。妖術を使って、巨大化した骸骨が人々に襲いかかろうとしているように見えます。今から200年ほど前に描かれたものとは思えないくらい、骸骨が鮮明に描かれている印象を受けました。
骸骨の作品の次からは、ややグロテスクなゾーンへ突入です。回避できるルートが用意されているほどに、痛々しいシーンが描かれた作品が並んでいました。見たくない人は、避けて通った方がいいかもしれません。
本展示会で、もっとも好きだったのが、女性の心内を描く美人画と呼ばれるものです。「〇〇したい」「〇〇そう」な女性を描いだシリーズが、本当に女性の心を写しているように感じて、かなり観入ってしまいました。
また、作品を鑑賞するときは、壁や頭上にも注目してみてください。覗き穴があったり、言葉が吊るされているのを見つけることができますよ。気が付かずにスルーしてしまうと、すごく勿体ない仕掛けですので、よく注意して鑑賞を楽しんでくださいね。
Twitterでの感想・反応
まとめ
「特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ」は、工夫を感じられる作品が多くのはもちろんのこと、展示の見せ方が面白いと感じました。テーマごとに作品がまとめられているので、当時、どんなことを考えて描かれていたのかが分かりやすいです。
浮世絵が詳しくない僕でも、一つの絵画として楽しむことができました。作品のことを詳しく知らなくても、考えながら鑑賞するのが好きな人にオススメな展示会です。ぜひ、足を運んでみてください。