【感想】塩田千春展:魂がふるえる(森美術館)の鑑賞レポート
森美術館で開催されている「塩田千春展:魂がふるえる」を鑑賞してきたので紹介します。
塩田千春さんの作品を観るのは、今回で2回目。瀬戸内国際芸術祭が開催されている豊島にある「遠い記憶」が初めてでした。豊島にある窓を集めて作られたとのことで、もう何年も前に観たのですが、未だに記憶に残っている作品です。
今回の「魂がふるえる」に関しても、非常に印象深い展示会でした。「遠い記憶」と似た作品もありましたし、何より複雑に絡み合った赤い糸が脳裏から離れません。愛や血管、つながりといったキーワードを感じられる展示会でした。
では詳しく、森美術館で開催されている「塩田千春展:魂がふるえる」についてお伝えしますね。
「塩田千春展:魂がふるえる」概要
展示会紹介
本展は、塩田千春の過去最大規模の個展です。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。大型インスタレーションを中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、25年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会になります。「不在のなかの存在」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる本展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感していただけることでしょう。
参照:塩田千春展:魂がふるえる | 森美術館 – MORI ART MUSEUM
作家「塩田千春」略歴
1972 年大阪生まれ、ベルリン在住。2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。南オーストラリア美術館(2018年)、ヨークシャー彫刻公園(2018年)、スミソニアン博物館アーサー・M・サックラー・ギャラリー(2014年)、高知県立美術館(2013年)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2012年)、国立国際美術館(2008年)を含む世界各地での個展のほか、シドニー・ビエンナーレ(2016年)、キエフ国際現代美術ビエンナーレ(2012年)、横浜トリエンナーレ(2001年)など国際展参加も多数。2015年には第56回べネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表。
参照:アーティストについて | 塩田千春展:魂がふるえる | 森美術館 – MORI ART MUSEUM
会期
- 2019.6.20(木)~ 10.27(日)
- 会期中無休
開館時間
- 10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし10⽉22⽇(⽕)は22:00まで(最終⼊館 21:30)
料金
- 一般 1,800円
- 学生(高校・大学生)1,200円
- 子供(4歳~中学生)600円
- シニア(65歳以上)1,500円
会場:森美術館
- 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
鑑賞レポート
「愛、血管、つながり」を感じさせる赤い糸
「赤い糸を観て、なにを想いますか?」
そんなことを問いかけられているような気がする展示会でした。たくさんの、本当にたくさんの糸を目にしました。
僕は赤い糸から、愛や血管、つながりといったキーワードが思い浮かびました。同じ赤い糸でも、見せ方によって感じ方が変わるのが不思議です。
赤い糸だけではなく、黒い糸が使われた作品もありました。どこか閉鎖的で、うっすらと恐怖を覚えます。ただそれだけではなく、見惚れてしまうような美しさも併せ持っています。
塩田千春さんの、言葉にも注目してみてください。
糸はもつれ、絡まり、切れ、解ける。
それは、まるで人間関係を表すように、私の心をいつも映し出す。
そう、鑑賞していて感じたのは、「目の前にある糸たちは、観るタイミングによって感じ方が違うだろうな」とということ。まるで、自分自身を映し出しているかのように、糸から感じるものがありました。
豊島にある「遠い記憶」を彷彿とさせる作品も、自分を映し出す鏡のように思えてきました。もしこれが本当の鏡なら、自分はどんなことを想うのだろうかなと想像してしまいます。
Twitterでの感想・反応
まとめ
「塩田千春展:魂がふるえる」は、非常に刺激の強い作品展でした。展示の規模も、作品に込められたメッセージも、とにかく圧倒的。
特に、赤い糸が印象的で、きっと観る人、観たタイミングによって、異なる印象を受けることになるでしょう。
ぜひ、足を運んでみてください。
また、名古屋・栄にあるケンジタキギャラリーでも、「塩田千春展」が同時開催中です。あわせて、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。