【感想】杉本博司 瑠璃の浄土(京都市京セラ美術館)の鑑賞レポート【口コミあり】
京都市京セラ美術館開館記念展として開催している「杉本博司 瑠璃の浄土」の鑑賞レポートを紹介します。
個人的には、”大大大満足な展示会”で、すっごくお腹いっぱいになってしまいました。
京都市京セラ美術館の静けさと作品が醸し出す空気感が、絶妙にマッチしていて、時を忘れて作品に没頭してしまいました。
美術館でまったりとした時間を過ごしたいと考えている方にとっては、至極の空間と感じられるはずです。
一つ一つの作品が見どころいっぱいなのですが、その一部を写真付きでお伝えしていきます。
では、続きを読み進めてみてください。
鑑賞レポート
美術館と作品の空気感が絶妙にマッチング
展示室に入ろうとしたところに待ち受けているのは、立派なのれん。
杉本博司さんが設立した小田原文化財団の家紋だそうです。
この先に、どんな作品が間受けているのかと、期待が高まる佇まいです。
展示会全体から受ける印象は、”和”を感じるものが多いこと。
美術館の雰囲気も相まって、心が浄化されていくような落ち着きのある作品が多数展示されています。
展示会のシンボル的な作品となっている四角いキャンバスにプリントされた「OPTICKS」という作品たち。
まるで「あなたはどの色が好き?」「ここから何を感じとる?」と聞かれているようで、Points of Youのコーチングを受けている気がしました。
ちなみに僕はこの日、黄色に一番惹かれました。
何故だか分からないのですが、どこか黄色の中に、自分が引き込まれていく感覚があったのです。
杉本博司さん独自の、宝物コレクションの展示も面白かったことの一つ。
何百年も前に作られたモノの数々が、この展示会とつながっていることに感動しました。
ちなみに、僕がこの日一番、テンションが上がった作品は、こちらです。
直島にある「家プロジェクト 護王神社」の模型。
瀬戸内国際芸術祭のことが好きすぎる僕は、まさか京都で、瀬戸内国際芸術祭を感じられて、とんでもなく嬉しかったのです。
そして、この模型の凄いところは、直島にある「家プロジェクト 護王神社」と同様に、出口をのぞいたら海が見えること。
海の絵画が、ちょうどいいところに展示してあるのです。
直島で「家プロジェクト 護王神社」を見たときに感激した景色を、ここでも見ることができて、心がウキウキしてしまいました。
Twitterでの口コミまとめ
「瑠璃の浄土」概要
展示会紹介
(中略)
杉本博司は、1970年代より、大型カメラを用いた高度な技術と独自のコンセプトによる写真作品を制作し、世界的に高い評価を受けてきました。また、古今東西の古美術や歴史資料等の蒐集や建築、舞台演出といった幅広い活動を行い、時間の概念や人間の知覚、意識の起源に関する問いを探求し続けています。
(中略)
杉本の京都での美術館における初の本格的な企画となる本展では、新たに制作された京都蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)中尊の大判写真を含む「仏の海」や、世界初公開となる大判カラー作品「OPTICKS」シリーズといった写真作品の大規模な展示を試みます。
また、「京都」「浄土」「瑠璃ー硝子」にまつわる様々な作品や考古遺物に加え、屋外の日本庭園には《硝子の茶室 聞鳥庵》も設置され、写真を起点に宗教的、科学的、芸術的探求心が交差しつつ発展する杉本の創造活動の現在について改めて考えるとともに、長きにわたり浄土を希求してきた日本人の心の在り様を見つめ直します。
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20200321-20200614
作家「杉本博司」略歴
1948年生まれ。1970年渡米後、1974年よりニューヨークと日本を行き来しながら制作を続ける。代表作に「海景」、「劇場」シリーズがある。2008年に建築設計事務所「新素材研究所」、2017年には構想から10年をかけて建設された文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開設。演出と空間を手掛けた『At the Hawkʼs Well / 鷹の井戸』が2019年秋にパリ・オペラ座にて上演。著書に『苔のむすまで』、『現な像』、『アートの起源』などがある。(中略)
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20200321-20200614
基本情報
会場 | 京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ |
会期 | 2020年5月26日(火)~ 10月4日(日) |
時間 | 10:00〜18:00 |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一 般:1,500円(1,300円) 大学・高校生:1,100円(900円) 中学生以下:無料 |
HP | https://kyotocity-kyocera.museum/ |
予約 | https://reserva.be/kyotocitykyoceramuseumofart |
まとめ
「杉本博司 瑠璃の浄土」は、京都市京セラ美術館開館記念を祝うのに、とても相応しい展示会でした。
京都市京セラ美術館の雰囲気と、本展示会の雰囲気が、ベストマッチしていると感じました。
時を忘れて、作品に没頭できましたし、同時に、自分自身のことを見つめ直す時間にもなったように思います。
この記事で紹介できたことは、ほんの一部。
他にも、たくさん魅力的な作品が展示されていますので、ぜひ足を運んでみてください。
▼同時開催中の「鬼頭健吾:Full Lightness」の鑑賞レポートも用意していますので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。