【感想】サンセット/サンライズ(豊田市美術館)の鑑賞レポート
豊田市美術館で開催している展示会「サンセット/サンライズ」へ行ってきたのでご紹介です。
タイトルにある通り「日没」と「日の出」に関連した作品ばかりを集めた企画展です。
数は多くないものの、見ている人をワクワクさせてくれるような作品が多いと感じました。
杉本博司氏や久門 剛史氏、クリスチャン・ボルタンスキー氏など、僕が好きなアーティストと出会えたことも嬉しいポイントでした。
では早速、「サンセット/サンライズ」展の一部をご紹介していきますね。
鑑賞レポート
久門 剛史さんのこの作品は、少し前に、豊田市美術館で同氏の展示会が開催していた時のことを思い出させてくれました。
遠くから見ると、日没、夜中、日の出というように見えるのですが、近づいてみると、小さな文字で円周率がひたすら刻まれています。
以前の展示会では、「◯(えん)」の描き方がとても素敵だと感じていたので、再びここで出会えて嬉しかったです。
「サンセット/サンライズ」のメイン作品となっている小林 孝亘氏の「Pillow」という作品。
これを見たとき、「人によって、朝だ!と思う人もいれば、夜だ!と思う人もいるだろうな」と思いました。
僕は、朝だと思った派で、白くてキレイなベッドから、素晴らしい1日の始まりのように感じました。
Points of Youのように、人によって感じ方が違うと思わせてくれるこういった作品は、僕の心をワクワクさせてくれます。
大好きなアーティストのひとりクリスチャン・ボルタンスキー氏と出会えたことも、とても嬉しいことでした。
何度も何度も彼の作品を観てきましたが、どれも印象深いものばかり。
心の奥深くにある「恐れ」の感情に、作品がアクセスしてくる感じがします。
なので、鑑賞中は少し怖い気持ちになることが多いのですが、それだけ感情を動かす力を持った作品を生み出していることでもあります。
芸術鑑賞の醍醐味は、感情が動くことだと思っているので、僕は、クリスチャン・ボルタンスキー氏の作品が大好きなんです。
杉本 博司氏の作品も、最近の僕のお気に入り。
何がいいのか言語化できないのですが、どこか惹きつけられる感じがするんです。
まるで絵画に、隠されたメッセージがある気がして、つい、作品を観察してしまいます。
「サンセット/サンライズ」概要
展示会紹介
「サンセット(日没、夕暮れ)」と「サンライズ(日の出、夜明け)」。
それは、毎日、誰にでも、平等におとずれる美しい自然現象です。生きとし生けるものはすべて、この宇宙に流れる悠久のリズムに寄り添いながら生きています。
「サンセット/サンライズ」の豊かさは、眠りと目覚め、終わりと始まり、死と生、闇と光など、さまざまな象徴や解釈の可能性を差し出してくれるところにあります。こうした、生きる人間の儚さと強さ、相反する価値観やそのあわいなどをも表す意味の広がりは、まさしく芸術家たちの創造の問いかけと重なりあうものです。
また、日没と日の出の前後に現れる薄明の神秘的な時間帯は「マジックアワー」とも呼ばれています。心が揺さぶられる魔術のような光景に立ち会う経験は、思いもかけない美術作品との出会いにどこか似ているともいえるでしょう。
本展は、こうした「サンセット/サンライズ」から派生する多様なイメージを手がかりに、豊田市美術館のコレクションを紹介する試みです。さらに招待作家として、愛知県にゆかりのある小林孝亘氏を迎え、静けさと強い存在感をもつその数々の作品を案内役に展覧会を構成します。
美術館で心が揺さぶられる豊かなマジックアワーをお楽しみください。
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/ss/
基本情報
会場 | 豊田市美術館 |
住所 | 愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1 |
会期 | 2022年2月15日〜2022年5月8日 |
時間 | 10:00-17:30(入場は17:00まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般700円[600円]/高校・大学生500円[400円]/中学生以下無料 |
HP | https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/ss/ |
まとめ
「サンセット/サンライズ」は、1時間くらいで観終えられるくらいの、やや小規模な展示会でした。
しかし、僕の中でのインパクトは、非常に大きいものがありました。
テーマが分かりやすかったので、終始、ワクワクした気持ちを持ち続けられました。
大満足です。