【感想】劇団あおきりみかん「ワード・ロープ」(愛知県芸術劇場 小ホール)の観劇レポート
劇団あおきりみかん其の四拾「ワード・ロープ」を観劇してきたので紹介します。
なんと本作品は、劇団あおきりみかん20周年公演です。まだ、観劇歴の浅い僕がいうのも変かもしれませんが、20周年にふさわしく、ものすんごく良い作品でした。
言葉のロープによって、過去と現在と未来で繋がっていく様子が、僕を作品の中へと誘ってくれました。目の前のステージで、時空が歪んでいるのを感じるのです。加えて、笑いどころも泣きどころも、しっかり詰め込まれているのが最高です。
ではもっと詳しく、劇団あおきりみかん「ワード・ロープ」についてお伝えしますね。
「ワード・ロープ」by劇団あおきりみかん 概要
ビラ・チラシ
あらすじ
このロープは、言葉のロープ。
ねじれていくのか、のびていくのか。中学校の校舎裏。
男が一人、地面を見ている。
20年前の今日、同じクラスの仲間たちとタイムカプセルを埋めたにもかかわらず、自分以外の誰一人現れない。
男は一人で掘り出すことにする。
そこに知らない女が短い【ロープ】を持って現れる。
「それを掘り出す前に、これを引っ張ってくれる?」
男はロープを引っ張る。
するとそこは【20年前】の校舎裏。
一方、違う時間。
同じ校舎裏で、少年が【ロープ】で死のうとしている。
そこに知らない少女が現れる。
「ここで死ぬのはやめてくれる?」
こうして、それぞれの時間はロープを手繰るように動き出す。
脚本・演出・出演者
▼脚本・演出
- 鹿目由紀
▼出演者
- 大屋愉快
- カズ祥
- 川本麻里那
- ギャバ
- 近藤彰吾
- 篠原タイヨヲ
- 正手道隆
- 中元志津
- 花村広大
- 平林ももこ
- 真崎鈴子
- 松井真人
- 松野有加里
- みちこ
- 山口眞梨
公演スケジュール・劇場
<名古屋公演>
- 3月2日(土) 19:00 大屋/中元
- 3月3日(日) 13:00 大屋/中元 託児サービス有り(要申込)
- 3月3日(日) 17:00 ギャバ/中元 アフターイベントあり
- 3月4日(月) 休演日
- 3月5日(火) 19:30 ギャバ/松野 ポータブル日本語字幕サービス(要申込)
- 3月6日(水) 18:00 大屋/中元 20周年アフタートークあり
劇場:愛知県芸術劇場 小ホール
住所:名古屋市東区東桜一丁目13番2号
アクセス:地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車 徒歩3分、名鉄瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩2分
<豊田公演>
- 3月16日(土) 13:30 大屋/中元 バックステージツアー付き(要申込)
劇場:豊田市民文化会館 小ホール
住所:愛知県豊田市小坂町12丁目100
アクセス:名鉄豊田市駅から徒歩15~20分
<仙台公演>
- 3月19日(火) 19:00 大屋/松野
劇場:エル・パーク仙台 スタジオホール
住所:仙台市青葉区一番町4丁目11番1号 141ビル(仙台三越定禅寺通り館) 6階
アクセス:地下鉄 仙台市営地下鉄南北線 勾当台公園駅下車(南1番出口より地下道で連結)、バス 商工会議所前 または 定禅寺通市役所前下車
<東京公演>
- 3月29日(金) 19:30 ギャバ/松野
- 3月30日(土) 14:00 ギャバ/松野 託児サービス有り(要申込)
- 3月30日(土) 19:00 大屋/松野
- 3月31日(日) 13:00 大屋/中元 アフタートーク付き
劇場:池袋シアターグリーンBOX in BOX THEATER
住所:豊島区南池袋2-20-4
アクセス:JR池袋駅南口改札より地下通路(西武デパート側)39番出口 徒歩約2分、「池袋駅」東口より地上路で徒歩約6分
観劇レポート
時空を超える世界観に引き込まれる作品
作品タイトルの「ワード・ロープ」ですが、観劇するまで絶対に意味は分からないと思います。日本人なら誰もが使ったことがある、〇〇を〇〇に使うのです。
最初は、なぜ〇〇を使うのか分かりませんでしたが、結末を迎えたときに、ようやく分かりました。
「まさか、ここと結びついていたなんて!」
言葉を発して良ければ、絶対にこうやって驚いていました。劇が始まってから、ずっと疑問に感じていた部分が、最後の最後に結ばれたのです。
〇〇以外にも、同じように「まさか、ここと結びついていたなんて!」と思う部分は、たくさんありました。間違えたのかと思いかねないセリフが、どうして発せられたのか。人のために頑張っていたことは、実は、自分のためだったこと。
笑いあり、涙ありの2時間弱の舞台は、さすが、劇団あおきりみかんと言わざるを得ません。時空を超える世界観に、完全に虜になってしまいました。
もっと観たい。あのシーンの謎を解きたい。溢れる気持ちが抑えられず、2度目の観劇を決めてしまうほどに、最高な作品でした。
Twitterでの感想・反応
まとめ
劇団あおきりみかん其の四拾「ワード・ロープ」は、本当に20周年公演にふさわしいと感じました。役者さんの演技も難しいものばかりなのは分かりますし、脚本も練りに練られていることが伝わってきます。
そして、笑いどころも泣きどころも、しっかり詰め込まれていて、僕の感情はグワングワンと揺れ動いていました。もちろん、満足度は、非常に高いです。
また、僕が観劇した3月3日(日) 17:00はアフターイベントとして、松井真人さん、大屋愉快さん、カズ祥さんによる書き下ろし短編作品が上演されました。「みかん」というお題に対して、お三方が嗜好を凝らした演劇を繰り広げてくれました。どの作品も、大爆笑したことは言うまでもありません。
やっぱり僕は、劇団あおきりみかんが大好きです。「ワード・ロープ」は、もう一度、観劇しに行くことが決まっていますが、次回作も、今からとっても楽しみです。