2020.06.21 2024.02.06

【感想】久門剛史 − らせんの練習（豊田市美術館）の鑑賞レポート

ぞの

豊田市美術館で開催している「久門剛史 − らせんの練習」を鑑賞してきたので紹介します。

近代的な建物という印象を受ける豊田市美術館にピッタリの展示会でした。

あらゆる○（えん）に、驚きと美しさを感じて、これぞ現代アートと唸ってしまいました。

あいちトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭が好きな人は、絶対に好きな展示会なので、ぜひ鑑賞を楽しんでいただきたいです。

では早速、どのような展示会だったのかについて、詳細をお伝えしていきますね。

この記事の目次

鑑賞レポート
- ○（えん）に魅了される展示会
- Twitterでの口コミまとめ
「久門剛史 − らせんの練習」概要
まとめ

鑑賞レポート

○（えん）に魅了される展示会

展示室に入って真っ先に出会える作品は、壁一面にひろがる「Force」です。

壁に設置された装置から、コピー用紙が螺旋を描きながら、舞い降りています。

床に広がるコピー用紙は、展示会が始まった3月から蓄積されたものなのでしょうか。

無秩序に舞うコピー用紙に、時間を忘れて見とれてしまいます。

真っ暗な部屋に輝くミラーボールの作品も印象的です。

四方から当てられたLEDライトに照らされた光は、部屋のあらゆるところに輝きを与えています。

まるで、おしゃれなナイトクラブにいるようです。

ガラスケースに入った装置が複数ある部屋も魅力的です。

どこが”らせん”何だろう？と想像を膨らませてみるのが、とっても楽しいです。

こちらの作品は、シャープペンシルの芯で、ひたすらに○を描き続けているものです。

一回は、とっても薄い線ですが、何周も同じところを回っているので、少しずつ色付いています。

個人的に、一番面白くて不思議だなと思ったのが、展示室の最後にあったこちらの作品たち。

一見すると、なんら変哲もない現代アート作品かと思います。

しかし、色がついているところをみると、○に関する”ある数字”がズラリと並んでいます。

よーく目を凝らして、数字たちを追ってみてください。

Twitterでの口コミまとめ

豊田市美術館の久門剛史「らせんの練習」展へ。ゆったりと視覚と聴覚を包み込んでくる面白い展覧会でした！紙が落ちる音、時計の針の音、水滴が落ちる音など些細な音を印象的に使っているのが面白かったです。普段は意識していない秩序に実は支配されているんじゃないかという感覚に。 pic.twitter.com/MZdRB6h6Gk
— sou (@Ino_sou) June 20, 2020

「久門剛史 − らせんの練習」は難しかったけど、空間が綺麗でなぜか心休まる感じがした。もう一度ゆっくり観たい。 pic.twitter.com/k2VVF0ODJi
— teru3 (@juju_flora) June 20, 2020

豊田市美術館で今やってる「らせんの練習」っていう久門さんの展示めちゃめちゃ楽しかった…😇
めちゃめちゃ良すぎて図録まで買ったけど図録も天才で最高でした😇 pic.twitter.com/OWxxjiVaaE
— 民草 (@epetami) June 13, 2020

#豊田市美術館 #らせんの練習
コロナ自粛明けでやっと美術館に行けました。久門さんの作品はあいトリで印象的で、今回も没入する不思議な感覚でした。見るっていうよりも作品の1部にさせられてる感じ。
見終わった後に作品の解説が読めるのも良かった。 pic.twitter.com/CrgTIZitGI
— akimasa_nagahashi (@kmsnghsh) June 17, 2020

豊田市美術館でやってる久門さんの「らせんの練習」を観てきました。光と白い空間に心が癒されました。珍しく、説明が作品の横に書かれておらず、純粋に世界観を味わうことができて、良いなと思いました。観たあとの答え合わせも楽しかったり。 pic.twitter.com/Av9oZAFW4j
— いえだゆきな (@yukinaieda) June 14, 2020

らせんの練習久門剛史豊田市美術館
久しぶりにドカーンと大きな空間に飛び込んで作品の世界に自分を溶かしていく感じで。はじめは作品の詳細を見つめてしまうけど、自分なりの楽しみ方がわかれば全身で光と動作と音！をひたすら浴びて気持ちいい。わーい！楽しい！
— milktea+ (@IRobamimi) June 13, 2020

「久門剛史 − らせんの練習」概要

展示会紹介

新進作家、久門剛史（1981年京都府生まれ）による国内初の大規模な個展を開催します。
久門は、身の回りの現象や特定の場所がもつ記憶、歴史的事象を採取し、それらを音や光、立体などの断片をもちいて観る者の身体感覚を静かに、強く揺さぶる空間を創り出します。私たちの知覚を研ぎ澄ますように促し、モノに潜在する「永遠性」と「唯一性」についてメタフォリカルに問いかける作品は、国内外で高く評価されています。
本展で久門は、豊田市美術館の４つの展示室からなる延べ約1,000㎡の個性的な空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開します。
展覧会タイトルは「らせんの練習」。真上から見て円であると認識していたものが、視点を変えて彫刻的に見たとき、はじめて螺旋だと気づく。そうした観る人それぞれの時間と空間の発見や新しい知覚の拡張につながる体験を、まさに螺旋の構造をなぞるように展示室が配置されている豊田市美術館の建築空間の中で実感できる、豊かな展観を目指します。
社会が混沌としている状況の中でも、物事を美しいと思える態度を揺るぎなく示し続けてきた久門剛史の芸術世界を、是非ご覧ください。
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/hisakado/

作家「久門剛史」略歴

1981年京都府生まれ。2007年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。近年の主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2016」(豊橋会場、愛知、2016年)、「東アジア文化都市2017京都アジア回廊現代美術展」（元離宮二条城会場、京都、2017年）があるほか、「MAMプロジェクト025」（森美術館、東京、2018年）と第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「May You Live in Interesting Times」(2019年)ではアピチャッポン・ウィーラセタクンとの共作を展示した。
2016年には、世界各国で上演されたチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』の舞台美術を担当。KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019（ロームシアター京都、2019年）にて初の劇場作品を発表。
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/hisakado/