【感想】刈馬演劇設計社「神様から遠く離れて」(千種文化小劇場)の観劇レポート
刈馬演劇設計社「神様から遠く離れて」を観劇してきたので紹介します。
本公演は、かなり前から気になってはいたのですが、観劇するのを躊躇していたのです。なぜなら、公演タイトルからもチラシからも、恐怖を感じる作品であることが伝わってきたので(怖いのが苦手なのです・・・)
しかし、やっぱり何か気になるので、観劇しちゃいました。
感想としては、やっぱり怖かったです。人から追われる恐怖、過去の辛い記憶など、照明や音響などの効果も合わさって、手に汗握る作品でした。
けど、ストーリーが宗教と関連していて難しかったこともあり、すごく観入ってしまっていました。なかなか演出の意図を理解するのは難しかったですが、忘れられない作品になることは間違いなしです。
「神様から遠く離れて」by刈馬演劇設計社 概要
ビラ・チラシ
あらすじ
壁に囲まれた宗教施設から、3人の女が脱走した。
彼女たちは壁の中で産まれ落ち、育ち、ある晴れた昼下がりに逃げだした。
行き着いた先は、日本の外れの小さな離島。
かつてキリシタンたちが暮らした集落の教会跡で、ひっそりと息を潜めるように暮らし始める。
目の前に広がる海を渡って、穏やかな波音に紛れて、いつ追手が来るかもわからないのだから。
女たちの心の逃亡劇はいつ終わりを迎えるのだろうか。
作・演出・出演者・スタッフ等
▼脚本・演出
- 作・演出 刈馬カオス
▼出演者
- 岡本理沙
- 伊藤文乃(オレンヂスタ)
- 岩瀬かえで(劇団わに社)
- 入馬券(てんぷくプロ)
- 仲田瑠水(廃墟文藝部)
- 青木謙樹 - TERU(なんだかんだクレイジー)
- 藤岡侑真(名城大学劇団「獅子」)
- 古場ペンチ(Pinchi番地)
▼スタッフ等
- 舞台監督:柴田頼克(電光石火一発座/かすがい創造庫)
- 舞台美術:岸菜々美(かすがい創造庫)
- 振付:堀江善弘(after image/【exit】)
- 主題曲:いちろー(廃墟文藝部)
- 照明:村瀬満佐夫(劇団翔航群)
- 照明操作:則武鶴代
- 音響:椎名KANS(Garage Inc.)
- 音響操作:加藤玲那
- 衣裳協力:PON(drop*stitch/なんだかんだクレイジー)
- 宣伝美術:オレンヂスタ美術部
- イラスト:柚木昌幸(mooncalf)
- 演出助手:杉浦真子
- 制作:岡彩織(刈馬演劇設計社)
- 制作補佐:鈴木べる(名古屋大学劇団新生)・岩瀬かえで(劇団わに社)
- 制作協力:佐和ぐりこ(オレンヂスタ)
- 助成:公益信託キャンドル演劇奨励基金
- 主催・製作・企画:刈馬演劇設計社
公演スケジュール
7月5日(金)19:00
7月6日(土)13:00/18:00
7月7日(日)11:00/16:00
劇場:千種文化小劇場
住所:名古屋市千種区千種3丁目6-10
アクセス:名古屋市営地下鉄桜通線「吹上駅」より徒歩3分
観劇レポート
謎、恐怖、驚き。舞台から目が離せない作品
作品の内容を理解することが、すごく難しかったです。どうして3人は逃げ出したのだろう?なぜ追っ手は・・・?ダンスに込めれられ意味は?考え始めたら止まらない。一度で理解するのは不可能。何度も見て、勉強して、ようやく理解できるような作品でした。
そして「神様から遠く離れて」というタイトルやチラシの不気味さからも伝わってくるとおり、恐怖を感じるシーンがなんどもあって、ノミの心臓の僕は、手に汗握ることがたくさんありました。
加えて、ラスト5分間は、驚きでした。「そこに繋がるんだ!」と目をハッとさせられました。だけど、「どうしてそうなったの?」という疑問はめぐ得ません。もう一度観劇して、意図を理解したい気持ちがフツフツと湧いてきます。
ただ、作品全体を通して、完成度がめちゃくちゃ高いことは伝わってきました。難解なテーマをここまで仕上げていることや、舞台演出のカッコ良さなどは、どれも一級品に感じました。間違いなく、何度観ても楽しむことができる作品です。