【感想】オレンヂスタ「黒い砂礫」(七ツ寺共同スタジオ)の観劇レポート【ネタバレあり】
オレンヂスタ第9回公演「黒い砂礫」を観劇してきたので紹介します。
この作品には、ものすんごく感情を動かされました。
舞台は、世界最難関の山。
それも、冬季に登山しようというシチュエーション。
登山が好きではない僕にとっては、理解し難い行為だったのですが、
山へ向かう人々の思いや、その人を取り巻く人間関係など、
表面には現れてこない感情が伝わってきました。
そしてまた、とにかく過酷だということがわかる演出も、凄まじかったです。
なんども目を背けたくなるくらい、「恐い」と感じる場面がありました。
けど、オレンヂスタらしく、ちょくちょく笑いを挟んでいるところもあって、
観劇後の感想としては、「とっても面白かった」と思えています。
では早速、オレンヂスタ第9回公演「黒い砂礫」について、詳しくお伝えしていきますね。
オレンヂスタ「黒い砂礫」 概要
フライヤー・ビラ・チラシ
あらすじ
登山とは、スポーツか、ビジネスか、自分探しか。
10周年を迎えるオレンヂスタが挑む、
と或る女性登山家を巡るヤマの物語−−。パキスタン側の風に身を縮ませる前地悠子/彼女はエベレストに次ぐ標高を誇る世界最難関の山・K2ことKaracorumNo.2の西南西壁に取り付いている最中だ/その近くで単独行を見守るのは大学登山部同期の屑木和伸/ごく最近までこの山に登頂成功し生存している女性登山家はいなかった/5人中3人は下山中に死亡し/残りの2人も他の8000メートル峰で遭難死している/なぜ女性は登れないのか/それはヤマがオンナだからなのか ―――。
PV
作・演出・出演者・スタッフ等
▼作・演出
- 作・演出:ニノキノコスター
▼出演者
- 今津知也(オレンヂスタ)
- 宮田頌子(オレンヂスタ)
- 伊藤文乃(オレンヂスタ)
- スズキカズマ(オレンヂスタ)
- 松竹亭ごみ箱(afterimage)
- 大脇ぱんだ(劇団B級遊撃隊)
- 菊池綾(テアトルアカデミー/劇団Wonder Party)
- 俊平(劇団Wonder Party)
- 本田歩夢(名古屋大学劇団新生)
- 喜連川不良(てんぷくプロ)
- 藤原孝喜(演劇組織KIMYO/名古屋プロダクション)
- 中居晃一(スタジオB-ST/NTC事務局)
(ダブルキャスト)
- 坂本あずき(劇団わに社)
- 暁月セリナ(オレンヂスタ)
▼スタッフ等
- 作曲:坂野嘉彦|ステージング:堀江善弘(afterimage/【exit】)
- 舞台美術:岡田保(演劇組織KIMYO/かすがい創造庫)
- 照明:花植厚美(flower-plant)
- 音響:堀場眼助(マナコプロジェクト)
- 衣装:木下義朗/暁月セリナ/菅井一輝(office cassini)
- 小道具:山田電機/佐藤裕二
- 演出助手:土方智哉/宮田頌子
- 舞台監督:柴田頼克(電光石火一発座/かすがい創造庫)
- 制作:内田もえ/城早乙合
- 宣伝美術:オレンヂスタ美術部
- プロデューサー:佐和ぐりこ
公演スケジュール
- 3/14(土)14:00◆①/19:00◆
- 3/15(日)15:00◇
- 3/16(月)14:00◇②/19:30◆
- 3/17(火)休演日
- 3/18(水)19:30◆
- 3/19(木)19:30◇
- 3/20(金・祝) 14:00◆/19:00◆③
- 3/21(土)14:00◆/19:00◇④
- 3/22(日)15:00◇
(ダブルキャスト)
- ◆…坂本あずき
- ◇…暁月セリナ
【アフターイベント】
①3/14(土)14:00「祝・菓子まき」
初日&10周年記念!ホワイトデーの菓子まきをします
②3/16(月)14:00「劇作家TALK」
[ゲスト]樋口ミユ(Plant M)、鹿目由紀(劇団あおきりみかん)
③3/20(金祝)19:00「女子TALK」
[出演]宮田頌子/伊藤文乃/暁月セリナ/大脇ぱんだ/坂本あずき
④3/21(土)19:00「男子TALK」
[出演]今津知也/スズキカズマ/松竹亭ごみ箱/中居晃一/藤原孝喜/喜連川不良
劇場:七ツ寺共同スタジオ
住所:名古屋市中区大須2丁目27−20
観劇レポート
恐怖、恐怖、恐怖。たまに笑い。
観劇後の感想は、「とっても面白かった」というのが、正直な気持ちです。
ただ、「もう一回観たいか?」と聞かれると、「イエス」とは言えません。
なぜなら、ずっしりとした恐怖の感情を味わってしまったから。
「黒い砂礫」と呼ばれる世界最高峰の雪山へ挑む、果敢な女性が主人公なのですが、
僕はこの女性に向かって、「もうやめなよ!!」と叫びたくて仕方ありませんでした。
なぜわざわざ、生き物が生存することができないほど、過酷な山頂へ向かおうとするのか分からなかったのです。
自分の体がボロボロになっても、それでも登り続ける気持ちが理解できませんでした。
ただ、脚本が進むにつれて明らかになってくる、彼女を取り巻く人間関係によって、
少しずつ、それでも登り続けようとする理由が、分かるようになってきました。
しかし、僕はそれでも、「もうやめなよ!!」と言いたい。
自分の命があってこそ、その想いを届けられると思うからです。
残された人たちの悲しむ様子に、胸がギュッと苦しくなりました。
こんな恐怖を感じる場面が、幾度となくありましたが、
逆に、笑えるシーンも盛り込まれているのが、オレンヂスタらしさであります。
個人的には、スズキカズマさんが、とっても好きなキャラクターでした。
あと、筋トレのシーンが、ツボです(笑)