【レビュー】最後の教室・影の劇場〜恐怖で五感がフル活用される作品〜【大地の芸術祭】
新潟県にある作品「最後の教室」「影の劇場」を鑑賞してきたのでご紹介します。
この2つの作品は、クリスチャン・ボルタンスキー好きなら、絶対に大好きな作品です。
僕は、3年くらい前から、ボルタンスキー氏の独特の世界観にどっぷり浸かってしまっています。
否が応でも「死」を感じてしまうところが、なんとも言えない感じでハマってしまったのです。
この場所は、とってもアクセスが悪いところにありますが、大地の芸術祭に来たときには、立ち寄ってもらいたいところの一つです。
では早速、どんな作品だったのかお伝えしていきますね。
「最後の教室」の感想
2つの作品は、旧東川小学校を舞台にしています。
パッと見では、ここに作品があるように思わないですが、駐車スペースまで行くと、なにやら不穏な音が聞こえています。
直島にある「心臓音のアーカイブ」のような、「ドクン、ドクン」という音です。
これはもはや、ボルタンスキー氏の代名詞と言えますね。
一歩、作品の中に入ると、無数の電球、扇風機、壁に映し出された映像、敷き詰められた藁など、五感が刺激されまくりの空間が現れます。
ちなみに、写真なので明るく見えますが、目が慣れるまでは、もっと真っ暗です。
目が見えないまま先に進まなければいけないので、この時点で、なかなか恐怖です。
先に進むと、学校の廊下があります。
真夜中に廃校に侵入したような感覚といえば伝わりますでしょうか。
絶対に1人では行きたくないような雰囲気が醸し出されています。
廊下から教室の中を覗くと、「死」を感じさせる作品がズラリ。
付いている電灯、消えている電灯があったので、どんなメッセージなのか考えてしまいます。
理科室として使われていたと思われる場所などにも、作品の展示がありました。
正直、だいぶ怖かったので、じっくり作品を味わうことができなかったですが・・・
ちなみに、ビビりすぎていると見つけられないような小部屋にも、作品の展示があります。
もし足を運んだときには、この小部屋の存在を忘れないでくださいね。
「影の劇場」の感想
影の劇場は、最後の教室のとなりの入り口から向かいします。
作品は、この写真に写っているものだけ。
実際には、もっと暗いのですが、こちらは愉快なお化けたちのように感じました。
2018年に公開されたばかりなので、道中の校舎もキレイでしたしね。
「最後の教室・影の劇場」の概要
「最後の教室」作家
- クリスチャン・ボルタンスキー
- ジャン・カルマン
「影の劇場」作家
- クリスチャン・ボルタンスキー
アクセス
駐車場:10台
営業日時
土日祝のみ公開、冬季休館
※大地の芸術祭2022期間中(2022年4月29日~11月13日)は、火水休館
時期 | 時間 |
---|---|
4~9月 | 10時~17時 |
10~11月 | 10時~16時 |
料金
種類 | 料金 |
---|---|
一般 | 800円 |
小中学生 | 400円 |
大地の芸術祭パスポートを持っている場合は、入場料不要
「最後の教室・影の劇場」のまとめ
「影の劇場」は楽しめましたが、「最後の教室」は、だいぶ怖かったです。
心臓音であったり暗闇であったりが、僕の中に眠っている恐怖心を呼び起こしてきます。
だけど、こうして五感をフル活用させることが、きっとボルタンスキー氏の狙いなはず。
そういう意味では、今回もしっかりと、ボルタンスキー氏を味わうことができました。
2021年に亡くなられてしまったことが残念ですが、これからも、まだ残っている彼の作品を堪能していきたいと思います。