【あいち2022】一宮市〜見どころ、概要、感想まとめ〜
国際芸術祭「あいち2022」の会場の一つ「一宮市」へ行ってきたのでご紹介します。
一宮市は、繊維の街として発展してきましたが、この特徴とアートが組み合わさっていて最高でした。
なんと言っても、現代アート好きなら知らない人はいない塩田千春さん、奈良美智さんの作品がヤバいです。
スケールの大きさだったり作品の空気感だったりで、圧倒されてしまいました。
なので一宮市へ来たときには、絶対にお二人の作品を見逃してはいけません。
もちろん他にも素晴らしい作品は、いくつもあります。
この記事では、一宮会場の見どころや感想などをお伝えしていきます。
これから鑑賞予定の人は、ぜひチェックしてみてください。
▼「あいち2022」全体の情報を知りたい方は、先にこの記事をどうぞ。
【まとめ】国際芸術祭「あいち2022」 – 見どころ、注意点、モデルコースなど
一宮市の見どころ
一宮市で、もっとも注目してもらいたいのが、オリナス一宮での奈良美智さんの作品です。
会場に入った途端、チラッと窓から見える可愛らしい姿に心を奪われます。
「早くみたい!」と思ってしまいますが、この作品の全体像が見えるのは、奥の方に進んでから。
ムズムズしてしまいますが、それまでにも作品があるので、ご心配なく。
奈良美智さんの代表作とも言える、巨大な可愛らしい女の子の作品に出会うこともできます。
僕の場合は、森美術館で開催された「STARS展」で出会ったので、再会したことになります。
以前見たときと、背景の色が違うので、受ける印象も全然違います。
この子の顔を見ていると、気持ちが穏やかになってきますね。
他にも、メッセージ性の強い作品を見ることができます。
今まであまり見たことない作品たちだったので、一つ一つ、丁寧に鑑賞しました。
オリナス一宮は、旧名古屋銀行一宮市店だったので、奥に見えるのは、金庫です。
この雰囲気と、作品とが、絶妙にマッチしているのが、この会場の面白いところでもあります。
そして最後に出会えるのが、入り口でチラッと見ることができた、こちらの作品。
外からの光で照らされて、神々しさを感じます。
しかし、よく見ると、目から涙を流していることに気が付きます。
まるで、いま世界中で起こっている辛い出来事に対して、悲しんでいるように思えました。
ちなみに、オリナス一宮の会場内には、奈良美智さんの遊び心も隠されいます。
作品とは別のところに目線を移すと見つけられるので、これも楽しみに鑑賞してみてくださいね。
一宮会場の魅力の二つ目は、のこぎり二で二で観ることができる塩田千春さんの作品です。
赤い糸からは、「運命の人」「血縁」「毛細血管」などを連想させられます。
それが、毛織物工場にいっぱいに広がっていて、圧巻の一言です。
よく観ると、織物の機械や糸巻きの芯など、過去に使われていただろう道具たちが絡み合っているのを見つけられます。
僕はこれをみて、過去から現在までの歴史のつながりのようなものを感じました。
いろんな角度から観ることで、感じ方が全然変わる作品なので、たっぷり時間をかけて鑑賞することがおすすめです。
▼塩田千春さんの有名な展示会の鑑賞レポートはこちらです。
微細生涯学習センター墨会館にも、織物産業を思い起こさせる作品が展示されています。
この作品は、織物が製造される工程を抽象化したものとのこと。
映像作品も一緒に展示されているので、アートを楽しむことができるかと思います。
一宮市役所にも、織物に関連する作品展示があります。
ここの壁一面には、織物の歴史だったり作品の説明が紹介されているので、背景を知るにはぴったりの場所です。
旧一宮スケート場も作品展示があります。
氷が張り巡らされていないスケート場に入るのは、誰もが初めての経験になるはず。
なんとも異様な空気感の中、これまた異様な雰囲気の映像作品と出会うことができます。
旧一宮市立中央看護専門学校も、あいち2022の会場の一つとなっています。
5階建ての建物の、各フロアに作品展示があります。
看護学校らしさが残る中での作品展示が見どころです。
特に、ここで出会った塩田千春さんの作品は、なかなかインパクトが強かったです。
豊島記念資料館は、織物器具や機械の展示がある資料館です。
工業製品好きの方には、非常に魅力的な場所なはず。
この建物の中にも、織物に関する作品がありますよ。
国島株式会社の一角では、ひとつの映像作品が上映されています。
しかし、正直に言って、意味不明な作品でした。
よく言えば不思議な世界観ですが、本音を言えば、謎でしかないという感じ。
どなたか僕に、この作品の魅力を教えてください。
一宮市の概要
地域概要
愛知県の北西部に位置する人口約38万人の尾張地方の中核市。尾張国の「一宮」が真清田神社であったことから、その門前町であるこの地域が「いちのみや」と呼ばれるようになった。江戸時代より綿織物の生産が盛んとなり、絹綿交織物の生産を経て、毛織物(ウール)生産へと転換、「織物のまち一宮」となった。一宮駅周辺のオリナス一宮、旧一宮市立中央看護専門学校などのほか、県内唯一の丹下健三建築である、一宮市尾西生涯学習センター墨会館を始めとした尾西エリアで展示予定。
会場
- オリナス一宮
- つむぎロード
- 一宮市役所
- 旧一宮市立中央看護専門学校
- 旧一宮スケート場
- 大宮公園
- 豊島記念資料館
- 国島株式会社
- のこぎり二
- 尾西生涯学習センター墨会館
開館時間、休館日
10:00-18:00(一宮市役所は17:15まで)
※入館は閉館の15分前まで
月曜休館(祝休日は除く)
参加アーティスト
一宮市のモデルコース
一宮市は、大きく3つのエリアに分かれています。
- 一宮駅エリア
- 尾西エリアA
- 尾西エリアB
自動車で鑑賞をするなら、エリア毎に自動車に乗って移動するのがオススメです。
尾西エリアA、Bには、作品の近くに無料駐車場も用意されています。
一宮駅エリアは、徒歩で移動することもできますが、夏の暑い日や体力に自信がない方は、自動車での移動を検討した方がいいかもしれません。
特に、豊島記念資料館だけは、ポツンと離れたところに位置していますし、十分な広さの専用駐車場も完備されています。
そのため、真清田神社(ますみだじんじゃ)付近に駐車して、旧一宮市スケート場から一宮市役所付近までを徒歩で鑑賞。
その後、自動車に戻って、豊島記念資料館へ自動車で向かうというのが、楽に回れる方法かと思います。
公共交通機関で鑑賞をするなら、名鉄バスの時間と体力に注意が必要です。
バスは15分おきくらいにしか出発しませんし、バス停からも歩く距離がやや多めです。
水分補給、栄養補給、休憩をしっかりして、鑑賞を楽しむようにしてくださいね。
なお、鑑賞時間の目安は、自動車の場合だと2〜3時間程度、公共交通機関の場合だと3〜4時間程度を見積もっておくのが良いかと思います。
一宮市の感想まとめ
一宮市は、なんといっても塩田千春さんと奈良美智さんの作品がやばかったです。
スケールの大きさだったり作品の空気感だったりで、圧倒されてしまいました。
それに加えて、地域の特色を存分に取り込んだ作品とも、たくさん出会うことができました。
愛知芸術文化センターでの作品展示と比べると、作品のメッセージがわかりやすいというのも特徴かと思います。
前提知識が少なくても、十分に楽しめる地域なので、ぜひ足を運んでみてくださいね。